2023-07-03物流業界の人手不足
ヤマトが日本郵便にメール便を委託、狙いは?
ヤマトはメール便サービス「クロネコDM便」を24年1月末に、小型薄型荷物サービス「ネコポス」を24年度末までに終了し、代わりに日本郵便の「ゆうメール」を活用した「クロネコゆうメール」などを始めます。
今後ヤマトは集荷業務のみを手掛け、仕分けや配達は日本郵便が行います。
トラック運転手の不足が懸念される「2024年問題」を見据え、両社は競争関係を超えた提携に乗り出します。
ヤマトにとってメール便などの配送は、仕分けや配送委託先が宅配便と統一できていなかったため採算が悪く、単価も低い非中核事業でした。
一方、宅配便の取扱個数は今後もネット通販市場の拡大で増加が見込まれます。
ヤマトはメール便などの配達業務を切り離し、宅配便事業で営業拠点の集約を進めるなど経営効率化を急ぎます。
日本郵便は郵便物の減少が課題でした。
22年度の郵便物(ゆうパックなど含む)の引受物数は185億通でピーク時の01年度から3割減っています。
ヤマトのメール便などを取り込み積載率を上げることで収益を改善する狙いです。
手紙やはがきの配達を郵便局以外に認めない「信書」問題を巡り対立してきたヤマトと日本郵便。
両社の提携は2024年問題の深刻さを表しています。