とくし丸1200台に迫る　デジタル活用も
移動スーパーを展開する「とくし丸」（徳島市）の稼働車両が1200台に迫っている。
47都道府県の約140社のスーパーに仕組みを提供し、販売は個人事業主の運転手に任せる手法で都市部でも浸透。
買い物弱者と呼ばれる高齢者の「命綱」として独走する。
運転手の支援も充実させながら販売にとどまらないサービスも計画している。

鮮魚から雑貨まで
6月、千葉県八千代市の団地に「とくし丸」と書かれた軽トラックが音楽を流しながら現れた。
荷台の冷蔵庫付き陳列棚に野菜や鮮魚、肉といった生鮮品から総菜、パン、菓子、雑貨まで約400品目、1000点以上が積み込まれている。
「チキンカツも持ってきました」「おいしそうね」。
運転手の川城欣也さん（56）が客と雑談しながら会計もこなす。雨が降れば傘を持ってあげる気配りも欠かさない。
「近くのスーパーがなくなり不便になったので助かる」と常連の女性（75）。
ここでは、近隣に住む数人のボランティアが接客や買い物袋を家まで運ぶのを手伝っていた。
スーパーは人手やノウハウの不足から移動販売を自力で始めるのは簡単ではない。
とくし丸は提携スーパーにブランドとノウハウを提供する。
個人事業主の運転手「販売パートナー」を募り、スーパーが商品を提供して販売業務を委託する。